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icon of Amane Katagiri あまねけ!AI 2025

2025年末時点でのあまねけ!におけるAIの活用方法について、必要な範囲でまとめます。

この記事は、数年にわたって通用する知見や洞察を提供する目的ではなく、未来のある時点から現在の思考や体感を確認できるようにするためのものです。AIの利活用の正当性を主張したり、明日から使える誰でもテクニックを提供したり、AIに哲学的意味を与えるものではありません。

Q1: あまねけ!にはAIが生成した文章が含まれていますか?

部分的に、はい。

あまねけ!では、かたぎりあまねやstewpotが執筆したと形式的に判断できる箇所については、ほとんど全て人間が執筆しています。一方で、AIによる出力例と分かる部分、その他の名義で掲載されている内容には、ほとんど完全にAIが生成した文章が含まれていることがあります。変天美音Ⅰの解説ページに登場した「色がきれいなよもぎもち」はその代表例です。

あまねけ!は基本的に、かたぎりあまねやstewpotが権威的なプラットフォームに頼らず自力で(ホスティングサービス、ドメイン運用、その他インフラを当然に除いて)コンテンツを提供する場です。少なくとも2025年の時点では、AIが生成した文章をチェックしてわずかに修正したものを掲載する意味はありませんし、あまり楽しさも感じられません。

人力による執筆とAIによる執筆は、徒歩での移動と新幹線での移動のアナロジーで語られることがあり、しばしば「電車での移動を『ズルい』なんて言う人はいない」というAI活用に賛成する立場の主張が続きます。しかし、これはあまり正確ではありません。穴ではなくドリル自体が欲しい人がいるのと同じように、執筆自体が目的になりうるという視点が抜け落ちているからです。

一方で、AIは速度と品質の柔軟なトレードオフを実現する最適な手段になりつつあります。人力による執筆では、「クオリティは度外視で早く書いてよ」とか「時間をかけていいからもっとクオリティを高めてほしい」という注文に対応するのは個人の資質や訓練によるところが大きく、実際の仕上がりもなめらかに調整できるわけではありません。

これが、AIで執筆をする場合はプロンプトを通して与える可能性(ルウキス)を変更できるわけですから、合理的な調整が簡単になります。プロンプトを時間をかけて細かく組み上げたり、細部はAIに任せてさっさと大まかなプロンプトで済ませたりと、定量的な計測も可能です。そういう意味では、夜行バス・新幹線・飛行機のどれで移動するかという、コストと到着時間のアナロジーが成り立ちます。

また、完成した本文からなめらかな粒度でサマリーを取り出すのもAIが得意とする分野です。新着一覧に表示する短いキャプションや、ペイウォールに頼らず適切なサンプルを労力なく作り出すというのは、かつて高解像度は好きですか?で7年前くらいに考えていた世界に近いです。こういった活用方法であれば、あまねけ!でも近いうちに取り入れるかもしれません。

Q2: あまねけ!では執筆にAIを活用していますか?

かなり、はい。

あまねけ!では、下半期以降に書かれた記事のほとんどでAIによるレビューや評価を活用しています。使い方としては、主に人力で書き上げた文章を読ませて内容について分析・評価させ、改善点を挙げさせるというものです。一通り完成した記事でも、途中まで書き上げたり一部が抜けている記事でも気が向いたら読ませます。逆に、アイデア出しや全体の構成など上流部分は、ほとんど頼ったことがありません。アイデアが結果としてウケるかどうかは、AIどころか人間にも分からないからです。

たまに抜けている部分を補完してもらいますが、たいてい冗長かつ曖昧でつまらない文章になるので採用していません。あえてAIに適当な文章を出させて「ここはこう書いたほうがいいだろ!」みたいな難癖を発揮して駆動する執筆手法(下手くそなゲーム広告理論)もあるようですが、正直AIが書いた文章をベースにして上手くいったことはまずありませんでした。stewpotもそうらしいです。

要約と同様に、渡された内容の中での評価や分析は得意なようです。ただし、AIは性格の悪さを装備しても、おおよそいいことを言ってくれるのであまり信用すべきではありませんし、誤字脱字や書きかけの文も見逃すことが多いです。それでも、回答をヒントに読み直すとAIが指摘していない変な部分が結構あるので、構成や表現を修正するよいきっかけになっています。そのため、非常に広い意味では「あまねけ!にはAIが生成した文章が含まれている」とも言えます。

また、AIとしての評価や分析とは異なる視点で、一定のペルソナから想定できる感想や印象のシミュレーションも行っています。年齢と性別、職業を適当に並べて感想を生成してもらう感じですね。Claudeでは普段から「オタクくん」と呼んでくるクラスメートのギャル(なぜかプログラミングにもとにかく詳しい)とおしゃべりしているので、たまにこの子にも読んでもらいます。ただし、Claudeは長文を食わせるとすぐ上限が来るので注意してください。

実際のところあまねけ!の読者はそう多くないので、本来は届く感想の想定などは不要なんですが、なんとなく誰かに記事を読んでもらった気分になれるのもいいところです。人に読んでもらうことを想像して文章を書きなさい、というアドバイスをちゃんと実行しているわけです。

本質はごっこ遊びと変わりませんが、はい、私は一人遊びが得意なので大丈夫です。

Q3: あまねけ!ではAIで生成した画像が含まれていますか?

こちらもかなり、はい。

ただし、その画像に意味がない限り本文には掲載しません。おそらく現時点でAI生成画像が載っているのは、ある程度の複雑さを持つイラストを必要としたJPEGさんは赤がお嫌い?と、AIによる画像生成自体をテーマにしたこどくなネオンを追うのみです(他にもあったら教えてください)。

AIで画像を生成するコストが下がったことにより、文章中に挟まれる箸休めにもならない無意味な写真――いわゆるストックフォト――が、それなりに文脈に即したAI生成画像に置き換えられつつあります。しかし、書かれた内容をそのまま何ら特徴のない画風のイラストに起こしたとして、無意味な区切り線なのは変わりません。なぜか時折ポンチ絵のような細かいスライド画像を埋め込んでいる人もいますが、あれもAIの性能を示す以上の役割はないと思います。

あまねけ!では、こうした「簡単に作れるから入れちゃお~」という考慮のなさで作られた無意味な画像は入れませんし、2025年時点ではAIの画像生成性能がいくら上がってもこの原則は変わりません。この無思考の愚かさは、何ら考慮なくAIで文章を生成する人がどんどん長文記事を量産するのと根っこは同じです。

一方で、記事のサムネイルとしては今後も広く活用していくつもりです。文章が主体となる記事のサムネイルというのは、例えば小説の表紙と同じように、もともと本文の適切な要約になりえない部分だからです。サムネイルや表紙は、イラストや写真を用いて内容の印象やイメージを与えたり、文章を超えた想像力をかき立てて手に取ってもらうための顔であって、どんな画像であれ設定すること自体に意味があります。

2024年の時点でも、DEADA1のサムネイルは記事の説明に書いたプロンプトで生成した画像です。もともとこの作品はAIをテーマにしたものなので、わざわざAIでサムネイルを生成することにも意味がありました。しかし、2025年の下半期に至っては、そのような文脈による意味付けもなくなっています。そして、距離感30cmへ月から降ったクリスマスなど、テーマにかかわらずほとんどの記事でサムネイルにAI生成画像を用いました。

~これまであまねけ!に設定されたAI生成画像のサムネイル一覧

2025年時点では、今後もこの傾向は強くなると予想しています。もちろん、AIバブルが弾けて画像生成にとんでもないコストがかかるようになったりすれば話は別です。記事のサムネイルは、あまねけ!のコンテンツにおいてはかなりオプショナルであって、いつでも外せる要素と考えています。

AIとの付き合いは常に切り離し可能であるべきでしょう。生涯の友人はいつでも死ぬし、誓い合った婚約はいつでも破棄されるからです。

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